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胆江日日新聞
pickup : 平和の尊さ伝える時鐘 戦渦くぐり抜け、再び 生きた教材また一つ 校舎玄関に設置(江刺愛宕小)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2017-03-17 09:45:02 (184 ヒット)

 市立江刺愛宕小学校(阿部和也校長、児童260人)の玄関に、同校の前身・愛宕尋常高等小学校で使用されていた「時鐘(じしょう)」が設置された。戦時中の金属類回収令に基づく供出を免れ、ひっそりと同校で保管されていた。昨年、校内会議室の一角から見つけ出されたのを機に、江刺愛宕地区振興会(紺野忠一会長)が協力し、長い歳月を経て学びやに取り付けられた。同校には戦前に日米親善の象徴として贈られた青い目の人形「プレザント・サンシャイン」も展示保管されている。平和の尊さを考える“生きた教材”がまた一つ増えた。

 時鐘は現在のチャイムと同じ役割を果たし、授業の始まりや終わり、下校時刻などを知らせていた。紺野会長や同校によると、この時鐘は1910(明治43)年の尋常高等小学校創設時に、地権者の一人だった佐藤直智氏が寄贈したという。創設時の校舎は、江刺愛宕地区センターの旧建物付近にあった。
 戦時中、兵器や戦闘機の製造に必要な金属が不足したため、銅像や寺院の鐘などが回収された。同校の時鐘も対象だったとみられるが、紺野会長は「音色がとても良く、学校にとっても大切なものだからと当時の先生たちが隠して守ったのでは」と推測する。
 戦後行われた校舎の移転や建て替えの際にも、時鐘は処分されることなく引き継がれた。しかし音を発することも人目に触れることもなく、会議室の収納棚にひっそりとしまい込まれたままだった。見つかったのを機に、末永く児童たちに鐘の音を聞いてもらえるようにと校舎に取り付けることになった。
 全校児童が集まり行われた除幕・お披露目式で阿部校長は、「皆さんに聞かせてあげたいと思っていた。こんな時に鳴らしたほうがいいといったアイデアがあったら、ぜひ出してほしい」と呼び掛けた。菊地しおんさん(6年)と佐々木響さん(5年)が除幕し、鐘を鳴らすと澄んだ音色が響き渡った。
 同校には戦前に日米親善の象徴として贈られ、戦中の焼却処分をくぐり抜けた青い目の人形「プレザント・サンシャイン」も保管展示されている。時鐘の設置で、児童たちが身近に戦争の愚かさや平和の尊さについて考えを深める機会が増えそうだ。
写真=学校創設時に使用していた時鐘。平和の尊さを伝える存在として、日常的に利用していくという


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