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胆江日日新聞
pickup : 白鳥舘遺跡(前沢)長者ケ原廃寺跡(衣川) 拡張登録へ正念場 11月めどに推薦書文章案 本年度に提出 スケジュール優先か(平泉・世界遺産)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2017-09-09 09:53:26 (351 ヒット)

 「平泉の文化遺産」世界遺産拡張登録検討委員会(田中哲雄委員長、委員8人)は8日、東京都内で第13回会合を開き、同登録推薦書案の四つの内容案について議論した。事務局の県文化スポーツ部文化振興課は「今回の意見を加味しながら、本年度中までというスケジュールに最も適した内容案の推薦書案テキスト版(文章版)を11月をめどに作ることになる」とした。同検討委では8月6日の第12回会合で、海外専門家の意見などから短期的に推薦書案を作成するならば柳之御所遺跡(平泉町)のみを候補資産にすべきとの意見を集約していた。奥州市内では構成資産として白鳥舘遺跡(前沢)、長者ケ原廃寺跡(衣川)の拡張登録を目指しているだけに、今後の議論の行方に注目が集まる。

 平泉の世界文化遺産登録後の12(平成24)年、拡張登録に向けた関係者会議が平泉町で開かれ、骨寺村荘園遺跡(一関市)と達谷窟(たっこくのいわや)(平泉町)を加えた5史跡の拡張登録を目指し、3市町の首長から5年間(17年まで)の調査研究が了承された。これに基づき同検討委では、県と3市町が進めてきた研究成果や海外専門家との意見交換会での内容を踏まえ、拡張登録推薦に向けた価値証明の可能性を探ってきた。
 8月6日には都内で海外専門家を招いての意見交換会兼第12回会合(非公開)を開き、登録のポイントとなる「顕著な普遍的価値(OUV)」の内容と対応する四つの案を詳細に検討した。
 案は▽奥州藤原氏が仏教的理想に基づき形成した世界的にまれな政治・行政の拠点としての平泉に焦点を当てる(A案)▽これまでのOUVを基本とし、これに政庁(柳之御所)と村落(骨寺村)を加える可能性を問う(B案)ーーの二つに大別。これを価値証明の可能性の程度でさらに二つに細分化している。
 具体的な名称は公表されていないが、説明資料の文面をみると各案の候補資産は▽Aー1案は五つ全て▽Aー2案は白鳥舘、骨寺村、柳之御所▽Bー1案は骨寺村と柳之御所▽Bー2案は柳之御所のみーーとなる。
 同月の同意見交換会後の記者会見で、田中委員長は「A案については、価値証明するためにはさらなる研究による新しい証拠が求められ、相応の時間を要する。Bー1案は短期的に証明できる可能性について意見が分かれたが、Bー2案よりも証明に課題が多いとの意見もあった」と説明。県の佐藤嘉広・世界遺産担当課長は短期的にできるものが話題の中心であったとした上で、Bー2案にすべきだとの助言を受けたことを明らかにしていた。
 8日の第13回会合には田中委員長ら委員5人とアドバイザーとして本中真・文化審議会世界文化遺産部会委員が出席し、公開で行われた。同課は検討資料として、課題の内容と数量により(1)Bー2案(2)Bー1案(3)Aー1、Aー2案と順位付けしたものを提示。資料を基に課題の内容などについて議論を交わした。本中アドバイザーからは「白鳥舘や衣川周辺の遺跡調査についても短期的に調査から明らかとなる部分もある。目の前の3年、5年で前進できるようにも見受けられる」と期限を設けない考え方を促す意見も出された。
  今後は11月に第14回会合を開催し、テキスト版への意見を交わす予定。(宮本升平)
写真=拡張登録推薦書案の内容案について課題などを議論した「平泉の文化遺産」世界遺産拡張登録検討委員会=東京都内


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