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胆江日日新聞
pickup : 「東奥の奇祭」伝統の黒石寺蘇民祭 厳寒の夜徹し 祈り荒々しく(水沢)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2019-02-13 09:39:05 (154 ヒット)

 「東奥の奇祭」の異名を持つ黒石寺(藤波大吾住職)の蘇民祭は11日深夜から12日早朝にかけ、水沢黒石町の同寺境内などで繰り広げられた。角灯を手に境内を巡る「夏参り(裸参り)」で祭りの幕が開くとほぼ同時に雪が降り始め、境内は一気に銀世界へ。「ジャッソー、ジョヤサ」の荒々しい掛け声が厳冬の山中に響いた。12日未明に始まった蘇民袋争奪戦では激しい肉弾戦が繰り広げられ、激闘の末、花巻市石鳥谷町の地方公務員、小原広任(ひろただり)さん(33)が2度目の取り主となった。

 境内が闇に包まれ、祭りが始まる午後10時が近づくにつれ、参加者や見物客、アマチュアカメラマンらの姿が増え始めた。稲わらや竹ざおなどで作った「おこもり小屋」には白熱灯の明かりがともされ、炭火で暖を取ったり、煮物などに舌鼓を打つ人たちの姿が見られた。
 夏参りが始まると、祈祷を済ませた地元や近隣地域の厄年連、一般参拝者らが下帯姿で角灯を手に境内を3巡。途中、近くを流れる山内川(瑠璃壷川)で気合十分に川の水を浴び身を清めた。
 柴燈木(ひたきり)登りでは、男衆が高さ2メートル余りの燃え盛る井げたに組んだ丸太に上り、煙と舞い上がる火の粉に苦しみながらも「山内節」を歌い、「ジャッソー」と気勢を上げた。
 日付が変わり、別当登りや鬼子(おにごり)登りなどの儀式が古式にのっとり行われ、クライマックスの蘇民袋争奪戦へ。照明が消された本堂内に、縁起物の小間木(こまぎり)が入った蘇民袋が持ち込まれると、袋を手にしようと裸の男衆が最後の力を振り絞って奪い合いに臨んだ。
 今年の取り主、小原さんは7回目の参加。3年前に初めて取り主になって以来2度目の栄誉となった。「一番になりたいという気持ちだけで挑んだ」という小原さん。初めて取り主になったときは長男が生まれ、今年は1月に次男が生まれた直後で再び取り主の座に。「いつか、子どもたちと一緒に蘇民祭に出るのが夢」。厳しい戦いを終えた後の表情は、柔和な父親に戻っていた。
 主催者側によると、夏参りには410人、蘇民袋争奪戦には135人が参加。昨年より多かったという。
写真=蘇民袋争奪戦で小間木を奪い合う男衆=12日午前5時すぎ


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