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胆江日日新聞
pickup : ブラックホール撮影成功 天文台の街 照らす輝き 本間希樹観測所長「水沢あっての成功」(国立天文台水沢)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2019-04-12 09:38:04 (599 ヒット)

 人類史上初のブラックホール撮影成功を伝えた会見から一夜明けた11日、研究プロジェクトに携わっている国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹所長は、テレビ番組への生出演などに追われた。多忙なスケジュールの中、取材に応じた本間所長は「水沢で長年培われてきた研究実績があって達成できたものだ」と強調。後進の若手研究者たちは、新たな研究目標へ向かって意気込みを新たにしている。緯度観測所開設から120年の節目を祝うかのように、「天文台があるまち」にとってうれしいニュースとなった。

 今回のブラックホール撮影は、遠距離にある複数の電波望遠鏡(パラボラアンテナ)が、一斉に同じブラックホールを観測した。VLBI(Very Long Baseline Interferometry=超長基線電波干渉計)と呼ばれるこの手法は、水沢では30年ほど前から実践されてきた“お家芸”のような技術。本間所長は「水沢で培われた経験が今回の成功の根底にある。そのことは、地元の皆さんにぜひ伝えたい」と語る。
 水沢キャンパス内にある20メートル電波望遠鏡「VERA」は、今回のブラックホール撮影には使われていないが、東アジアVLBI観測網の一つとして、ブラックホールの新たな謎を解き明かす研究に生かされそう。10日の会見で登壇した、同観測所の秦和弘助教は「今回の撮影結果では、ジェット噴射という現象が観測されなかった。東アジアの観測網は、今回の観測網とは異なる波長で観測しているので、その謎に迫ることができるかもしれない」と期待を寄せる。解析には、同キャンパス内に設置されているスーパーコーンピューター「アテルイ髻廚粒萢僂鮓込む。
 「世界の研究者が共同で一つの目標に向かって取り組んでいることに大きな意味がある。地域住民にも天文学や自然科学をより身近に感じる機会にしてほしい」と話すのは、天文台OBでNPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長。同センターが運営する奥州宇宙遊学館では13日午後7時から、春の天体観測会を開催する。今回観測したブラックホールがある「M87銀河」の方向も見てもらう予定。このほかにも、今回の快挙を祝うような取り組みを検討する動きもあり、人類史上初の快挙は「天文台のある街」に活気を呼び込みそうだ。
写真=ブラックホール撮影に貢献した本間希樹所長。天文学普及のため、一般市民や子どもたち向けの講演やイベント参加にも積極的だ=昨年8月の「いわて銀河フェスタ」で


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