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胆江日日新聞
pickup : 日吉神社姥杉に「命」 樹齢650年の元町天然記念物 伐採後託され観音堂に 震災犠牲者供養 世界平和を祈る(金ケ崎・泰養寺)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2019-07-10 09:39:35 (177 ヒット)

 一昨年の台風で倒れかけ、惜しまれつつ伐採された金ケ崎町三ケ尻の日吉神社の御神木・姥杉に、新たな命が吹き込まれた。姥杉の伐木を引き取った曹洞宗泰養寺(渡辺善幸住職)=同町西根南町=が、同寺そばの広場に、幹の一部を利用し観音堂を建立。同神社の菅原政憲宮司(40)は「代々守り続けてきた御神木に新しい命をつなげられるのはうれしい限り」と感謝する。

 同神社境内にあった姥杉は、源義経が植えたとの伝承が残る。御神木として住民に親しまれ、1973(昭和48)年8月には町の天然記念物に指定。しかし腐食が進み、17(平成29)年9月の台風18号の風雨で倒木寸前となったため、翌月に伐採された。伐採時の樹高は約30メートル、樹齢は推定で650年という。
 伐採後、御神木が廃棄されるかチップに加工されると聞き、伐木の引き取りと供養を菅原宮司に申し出た渡辺住職(62)。御神木を託され、東日本大震災で犠牲になった人の供養や世界平和に願いを込めた観音堂の建立を決意した。
 昨年4月、同寺から100メートル余り南東の広場の一角で着工。姥杉の根元付近(直径約1・5メートル、高さ約4メートル)をお堂に見立て、姥杉内部の空洞に、鋳物製で背丈約45センチの聖観音立像を安置した。観音像は震災犠牲者を供養するため東を向いており、姥杉の割れ目から拝観できる。
 上部に屋根も取り付け、堂全体の高さは約7?。町内の建築業者が防虫剤などで保存処理も施した。総工費約400万円の大半は、同寺の檀家からの寄付で賄った。
 同寺が管理する広場は、たいよう保育園(渡辺つる代園長)に面しており、周辺は園児が遊び場としても活用。園児たちは観音堂を「きのこ堂」と呼び、親しんでいるという。同園を経営する社会福祉法人の理事長でもある渡辺住職は、「観音堂にお参りしながら、草木に感謝する心も育んでいければ」と期待する。
 8日夕、「姥杉観音堂」(仮称)前で、同寺が魂入れ(開眼供養)を行い、渡辺住職や同神社の総代ら計20人が出席。読経が流れる中、震災犠牲者の霊も供養した。
 菅原宮司は「姥杉は、未来を担う子どもたちの成長を見守ってくれるはず。これからもずっと皆さんに愛され続けてほしい」と願っていた。
写真=伐採された姥杉を再利用して泰養寺が建立した観音堂


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