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胆江日日新聞
pickup : 郷土の誇り 映像に 金ケ崎の久保さん 足跡まとめDVDに(元関脇・前田川)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2019-08-15 09:39:31 (288 ヒット)

 江刺稲瀬生まれで引退後の後半生を金ケ崎町で暮らした郷土力士、故高橋勝郎さん(元関脇前田川)。同町三ケ尻六本松の元高校教諭、久保光雄さん(71)は、闘志あふれる取り組みでこの地域を沸かせた勝郎さんの顕彰につなげようと、足跡を映像でまとめたDVD(21分、非売品)を自主制作した。久保さんは「郷土の偉人として歴史に名を残すべきだ。より多くの人たちに前田川関の活躍と人柄を知ってほしい」と顕彰機運の高まりに期待する。

 勝郎さんは39(昭和14)年生まれ。角界での成功を夢見て中学2年で高砂部屋に入門し、52年に初土俵を踏んだ。60年に十両、翌61年に関脇に昇進した。力士としては小柄だが、激しい突き押し相撲を得意とし、「突貫小僧」の異名を得た。
 61年の秋場所で横綱目前の大鵬、柏戸を倒すなど「郷土のヒーロー」として名を上げたが、67年に28歳で引退。里帰り後に結婚し、同町内に居を構えた。県経済連水沢事業所に勤務。同僚や住民に慕われたが、98年11月に59歳で病没した。
 引退後の勝郎さんと久保さんはご近所同士。互いの子どもが同級生だったことから親しくなり、自宅を行き来する仲になった。
 料理が得意な勝郎さんが腕を振るったサンマの押しずしをごちそうになったり、地域の祭りで相撲甚句を披露してもらったり。久保さんは「体は大きいが、とても穏やか。勝負の世界を歩んできたとは思えないぐらい優しい人だった」と懐かしむ。
 20年前から記録映像の撮影と編集を趣味としてきた久保さん。本紙で今年1月に連載された企画記事「人々の物語・前田川関」を読んだのがきっかけで、顕彰DVDの制作を決意した。
 「活躍も人柄も郷土の誇り」との思いを強くし、3月から取材を開始。記事を頼りに足跡をたどり、勝郎さんと親交のあった職場の後輩や住民らを訪ねて話を聞いた。
 勝郎さんの妻絹子さんからは、家族が大切に保管してきた写真80枚余りを拝借。勝郎さんの一家だんらんの様子を家族がホームビデオで撮影した古い映像テープも借り受け、貴重な資料としてよみがえらせた。
 自主制作したDVDでは、関係者へのインタビューを交え、勝郎さんの活躍や人となりをドキュメンタリー風に描いた。完成品を高橋家に届けた際、絹子さんが「これでお父さんも喜んでくれるかな」とつぶやくのを聞き、制作者としての喜びをかみしめた。
 25枚制作し、関係者に配布。数に限りがあり販売はしていないが、寄贈先の町立図書館や三ケ尻地区生涯教育センターで視聴できる。
 映像は、地元・六本松団地で今秋催す芋の子会でも住民が鑑賞する予定。久保さんは「勝郎さんは江刺生まれだが、金ケ崎にとっても忘れ難い偉人。年月を経て記憶から忘れられてしまうのは残念で、もっと多くの皆さんに知らせたい」と願いを込める。
写真=「前田川関は郷土の誇り」と顕彰を誓い、映像作品を完成させた久保光雄さん


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