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胆江日日新聞
pickup : 国史跡鳥海柵跡 保存活用へ基本設計案 整備委で検討開始 年度内策定目指す(金ケ崎町教委)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2019-11-08 09:41:33 (157 ヒット)

 専門家や住民代表らで組織する国史跡鳥海柵跡整備委員会(委員9人)の第9回会合が7日、金ケ崎町西根達小路の金ケ崎要害歴史館で開かれ、町教委が昨年度策定した整備基本計画に基づく保存整備基本設計案を示した。「歴史の広場」や「地形体感」など四つのゾーンに区分し、散策路や休憩スペースといった各施設を整備する内容。委員の意見を踏まえながら修正を加え、文化庁との協議の上、年度内策定を目指す。委員による本年度の同史跡発掘調査現場視察も同日行われた。

 今後の検討のたたき台となる基本設計案は、全体整備のコンセプトに「奥州平泉繁栄の源となる安倍氏の軌跡を今に伝え・守る歴史の広場」を掲げる。整備方針は「感じる」「知る」「守り伝える」「活かす」の4項目で示した。
 「感じる」では、見学者の視覚に訴えられるよう、堀の一部を復元したり遺構を立体的に表示したりする。将来的にはAR(拡張現実)やVR(仮想現実)などでの視覚効果も検討する。「知る」では、見て歩くことで史跡に理解を深めてもらうため、複数の散策コースを設定。歴史や遺構の価値を表示や復元で詳しく伝える。
 史跡内の保存整備エリアを三つに区分。史跡北の町道側から「エントランス」「歴史の広場」「史跡コア」の各ゾーンを設ける。史跡の中心空間となる史跡コアゾーンでは、遺構整備を積極的に行い、解説機能も充実させる。
 現状の設計案では、史跡内に屋根付きの休憩スペースやトイレなどを整備する計画だ。
 これら三つのゾーンから約150メートル南方にある地形保全区域に「地形体感」ゾーンも設置。防御施設としての地形を色濃く残す区域であり、規模や雰囲気を肌で感じ取れるよう、散策路や階段を設けるという。
 同日の会合には委員6人が出席。協議に先立ち、千葉祐悦教育長は「整備基本計画を基に鳥海柵跡を適切に保存管理、活用するため、町民に納得してもらえる整備を進めていきたい」とあいさつ。委員に委嘱状を交付し、委員長に本堂寿一氏(元鳥海柵遺跡調査指導委員長)、副委員長に西久雄氏(本宮観音堂保存会長)を再任した。
 本堂氏は「保存整備を目に見える形にする第一歩。胆沢城と平泉をつなぐ重要な史跡である鳥海柵の歴史的意義を伝えるのが整備のコンセプト。客観的な事実の中で整備されていくべきだ」と呼び掛けた。
 協議では、委員の一人が「そり遊びができる築山を造るなど現状の設計案を文化庁が認めるとは思えない」と指摘。佐々木健一教育次長は「素案の素案の段階。委員の意見をいただきながら吟味し、一歩一歩進めていきたい」と理解を求めた。 町教委は年度末までに基本設計、来年度に実施設計をそれぞれ策定したい考えだ。
 委員らは同史跡も訪れ、今月末まで行われている本年度発掘調査(第23次)の現場も視察。原添下区域南東部にある堀の一部や建物跡の可能性がある区画で意見を交わした。一般向けの現地説明会は23日午後1時から行われる予定。
写真=鳥海柵跡の発掘現場を視察する国史跡鳥海柵跡整備委員会の委員ら


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