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胆江日日新聞
pickup : 千葉周秋さん(金ケ崎町西根)に 文化振興 地域づくりに尽力 来月7日授与式(第22回胆江日日新聞文化賞)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2020-02-25 09:38:16 (288 ヒット)

 第22回胆江日日新聞文化賞は、地域文化学研究所主宰の千葉周秋(かねあき)さん(71)=金ケ崎町西根諏訪小路=に決まった。長年にわたり、地域文化の掘り起こしと活用に尽力している。授与式は胆江日日新聞創刊記念日の3月7日、水沢柳町の本社で行われる。

 金ケ崎町六原生まれ。県立水沢高校を卒業後、京都で大学生活を送った。1973(昭和48)年、県教育委員会文化課で高速自動車道整備に伴う埋蔵文化財調査に携わり、79年から旧水沢市教委、85年に金ケ崎町教委社会教育課に採用され、文化財の発掘調査と保存・保護、地域の芸術文化振興の業務などを担った。
 深く関わった一つに、金ケ崎町城内・諏訪小路地区の国「重要伝統的建造物群保存地区」(伝建群)選定への取り組みがある。きっかけは85年ごろ。古民家などを調査している研究者が同地区に足を運んだ際に、江戸情緒の残る町並みの景観を「角館よりすごい」と評価したのだ。
 千葉さんはまず、独自に調査し報告書を作成するなどプロセスを段階的に進め、県教委と文化庁に出向き、保存対策調査の必要性を訴えた。行政も動き、調査開始からおよそ15年後の2001(平成13)年、選定が実現した。
 豪族安倍氏の拠点「鳥海柵跡」の国史跡指定(13年)にも奔走した。
 千葉さんが振り返る。金ケ崎町教委採用の際の面接で「あなたは何をするのか」と問われ、次のように答えた。
 「日本の駒形信仰の発祥の地である駒形神社の検証と、鳥海柵の解明」。これが自身の仕事のベースとなった。
 「文化財は保護され、なおかつ活用されていかなければ意味がない。修復保存で終わるのではなく、活用の在り方を考え実行していく。それが私の中の地域づくり」と説く。
 退職後に地域文化学研究所を立ち上げ、民俗や歴史などを独自の視点で探究し続けている。地元の文化を学問として捉え、研究しようという試み。背景にあるのは同町の「生涯教育のまちづくり」。現職中はその真っただ中で仕事を進めアピールしてきたが、現在は実践者として行動する。
 生まれ育った地元には多くの魅力と不思議があり、旺盛な好奇心と探究心が湧き上がる。金ケ崎まちづくり研究会顧問、金ケ崎芸術大学校共同代表なども務め、同人や仲間らと共にさまざまな分野の企画展や発表会、イベントを精力的にこなしている。
 06年開始の幽霊画展開催をきっかけに筑波大学大学院生と知り合い、今では大学との連携による地元学研究へと発展した。
 「いろんな分野の人と交流することが、いい刺激になり、そこに何かが生まれる。研究し情報を交換し発信することで、地域を楽しく元気にしたい」。郷里を見つめる目は熱く、そして温かい。
 
 胆江日日新聞文化賞 1996(平成8)年、本紙創刊50周年を記念し創設。胆江地方の文化や学問、地域活動などに貢献し、顕著な功績を残した個人・団体を顕彰している。
写真=文化財を活用した地域づくりを説く千葉周秋さん


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