市社会福祉協議会(岩井憲男会長)が運営する江刺の米里保育所(佐藤八千代所長、園児8人)は、本年度末で閉所する。1957(昭和32)年度の開所から63年。少子化の影響で園児数は年々減少し、経営の維持が困難になった。地域と共に歴史を刻んできた保育所だけに、市社福協は地元住民も足を運び施設に別れを告げる機会を設けることを検討している。
同保育所は54年10月、地域の要望などを受けて設置計画に着手。米里財産区補助金や赤い羽根共同募金配分金などを活用し、旧米里地区社会福祉協議会が経営主体となり開所した。86年度に園舎を移転新築。組織の合併に伴い、2006(平成18)年度に設置主体が市社福協へ移管された。
定員は開所当時60人だったが、1999年度45人、2015年度40人、17年度には20人まで減らした。定員を上回る園児を受け入れていた時期もあり、00年度までは50人を超えていた。しかし徐々に減少し、16年度以降は20人を下回り本年度は一桁台となった。
市社福協は、市が17年度に策定した市立教育・保育施設再編計画を受け、江刺東エリアでの保育所統合に合わせて、米里保育所の閉所を検討する意向を市に伝えていた。しかし、同エリアの認定こども園新設計画は場所や時期を含め未定。市社福協はこれ以上運営を続けられないと判断し、今年3月、20年度いっぱいでの閉所を決定した。
既に、保護者や同保育所運営委員会に説明している。保護者や地域住民はやむを得ないと受け止める一方、保育所が無くなることにやるせない思いを抱く人もいるという。
来年3月には、閉所式や写真展の開催を予定している。市社福協は「地域の皆さんに支えられてきた保育所。お別れをしてもらうため、保護者以外の地元住民にも保育所へ来てもらえる取り組みを考えていく」と話す。
閉所に伴う在園児の転園については、市が支援する考え。
写真=本年度末での閉所が決まった米里保育所
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