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胆江日日新聞
pickup : 明神下遺跡から住居跡80棟 有力者の大集落か 平安中期 石帯1本分の飾り石 緑釉陶器片も出土(胆沢若柳)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2020-11-11 09:45:08 (378 ヒット)

 胆沢若柳の明神下遺跡から、平安時代中期(9世紀後期から10世紀前期まで)の餠棟を超える竪穴住居跡が出土し、住居跡から貴族の装身具「石帯」の「■(か)」と呼ばれる飾り石部分8点や、緑釉陶器片1点などが発見された。「■」が1遺跡に8点も出土するのは県内初で、当時の有力者がいた大集落の可能性が高いという。10日、県文化振興事業団埋蔵文化財センターが現地で住民向け説明会を開き、参加した市民ら約80人は往時の営みに思いをはせた。

 県のほ場整備工事に伴う発掘で、於呂閇志胆沢川神社の北側に隣接した1万9930平方?の水田地帯が調査対象エリア。4月上旬に開始し、11月末までを予定する。
 発掘現場からは平安時代中期の竪穴住居跡餠棟以上や倉庫と思われる掘立柱建物9棟分のほか、室町時代末期の墓も見つかっている。このうち、最も大きな竪穴住居跡からは石帯の飾り石「■」が8点出土。石帯は、中国から伝わった貴族など高位の者が着る「束帯」装束に用いられる現代のベルトに相当するもので、バックルの付いた革の帯部に薄い板状にした玉石や金属「■」を縫い付けて装飾した。「■」には円形の「円鞆」、半円形の「櫛上」、方形の「巡方」があり、同遺跡から出土したものは「櫛上」形5点と「巡方」形3点の計8点。材質は大理石、またはチャートと呼ばれる石とみられる。
 発掘を担当した同センターの須原拓文化財専門員は「一つの遺跡から石帯の飾り石が出土する場合、ほとんどが1個か2個。これほど多く出てくるのは県内初。飾り石の種類や個数からすると、恐らく石帯1本があったと考えられる。それは石帯をする位の有力者がここにいたか、石帯1本がここに住む人に与えられたことが考えられる」と説明する。
 このほか別の同住居跡からは、碗とみられる緑釉陶器片や灰釉陶器片、須恵器の長頸壺などが出土した。緑釉陶器は貴族や有力者が使用する特別なもの。灰釉陶器も東海地方産とみられ、ここまで運ばれて使用されていたと考えられる。長い首が特徴的な長頸壺には文字が刻まれていた。
 須原専門員は「石帯や緑釉陶器が見つかったことから、貴族階級の人が住んでいた、または来訪していた可能性は十分にある。竪穴住居の中に鍛冶をした跡があり、工房などもあったようだ。いずれ当時重要視された大きな集落だろう。山手の場所に、このような集落があるとは驚いている」と話している。
写真上=竪穴住居から発見された貴族が身に着けるベルト石帯に付ける飾り石「■」。1本分出てくるのは県内初
写真下=小雪がちらつく中、市民ら80人が参加して平安時代中期の大集落跡に理解を深めた
※■は金偏に夸


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