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pickup : 話芸巧みに客席魅了 落語VS講談いわて王座決定戦 神楽正司さん(青凜会)優勝(衣川)
市観光物産協会衣川支部(三浦秀夫支部長)主催の「じんば祭り 落語VS講談いわて王座決定戦」が23日、衣川日向の衣川歴史ふれあい館で開かれた。県内の落語家・講談師計6人が自慢の話芸で聴衆を楽しませ、奥州衣川青凜会会員で前日の予選会を勝ち上がった神楽正司さん(73)=本名・千葉正司、衣川清水の上=が優勝した。
同決定戦は、コロナ禍で失われた地域の活気を取り戻そうと同支部が初めて企画。出演者の前にアクリルの仕切り板を設けるなど感染防止策を講じ開催した。
県内で活躍する4人と青凜会の予選会を勝ち上がった2人が出場し、15分間の持ち時間で話芸を繰り広げた。市内外から訪れた聴衆19人と中尊寺僧侶の和泉流狂言師・破石晋照さん、東京からオンライン参加した落語家・桂枝太郎さん=衣川出身=と講談師・宝井一凜さんが投票した。
持病の慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため酸素吸入器を着けて舞台に上がった神楽さんは、磨きをかけてきた講談「山内一豊の妻」を披露。妻の内助の功で手に入れた名馬が奏功し、戦国武将の山内一豊が出世する物語を、張り扇を調子よくたたきながら通る声で語り上げ、客席の心をつかんだ。
予定では、最後に芸名の由来でもある得意の神楽の一節も披露する予定だったが、時間が足りず変更。機転を利かせ冷静にまとめ上げた神楽さんは、「優勝でき最高にうれしい。今後も健康に留意しながら面白い芸を身に付け発表していきたい」とほほ笑んだ。
写真=巧みな講談で優勝に輝いた神楽正司さん