本年度から休止した江刺の市越路スキー場の思い出を語る会(同スキー場閉幕記念祭実行委員会主催)が16日夕、ホテルニュー江刺本館で開かれた。運営に尽力した功労者への感謝状贈呈やスライドショー上映などを通じ、55年にわたって地域内外に愛されたスキー場の思い出を関係者らが共有した。
1967(昭和42)年、旧江刺市が当時の越路牧野組合から草地を借り受け、伊手越路市民スキー場として開設。スキー愛好家らにより、ロープトウの設置から始まった。
85年には江刺市営スキー場設置条例が制定され、ゲレンデの造成や整備、簡易リフトとロッジの建設、ナイター用照明施設、駐車場整備などを実施。越路スキー場として再スタートを切った。
90年代のスキーブームに伴い、ペアリフトや初級・中級者向けコースも新設。92(平成4)年度には入場者数3万5500人、売り上げ約3740万円とピークを迎えた。
一方で、財政状況やスキー人口の減少、暖冬などさまざまな要素が絡み合い、市は越路、ひめかゆ(胆沢)、国見平(衣川)の市内3スキー場の在り方を検討。今シーズンから国見平のみリフトを動かして営業を継続し、直営から指定管理に切り替えている。
思い出を語る会には関係者ら約70人が出席。倉成淳市長は「市内外の人に愛されたスキー場。今後は地域と一緒にスキー場を活用した新たな地域づくりに取り組んでいきたい」とあいさつ。伊手振興会の佐藤修孝会長は「関わってくれた多くの人に感謝したい」と祝辞を述べた。
スキー場設置に尽力した渡辺忠和さん(伊手観光開発協会長)と渡辺政広さん(農事組合法人越路実行組合長)のほか、長年にわたって運営に携わった菊地一善さん(江刺スキー協会長)に倉成市長から感謝状を贈呈。渡辺政広さんは、元スキー場長としても感謝状を受けた。
3人はスキー場の思い出をスピーチ。このうち、渡辺政広さんは「スキーブーム当時は駐車場が足りないのが悩みの種だった。休止となるが、ブームが再来してまたにぎわいを取り戻せたら」と願った。
写真=越路スキー場の思い出を語る会で倉成淳市長(左)から感謝状を受ける功労者
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