水沢地域の幼保施設で新年度、利用定員が計57人減少する見込みだ。市は急激な少子化や保育士不足などが要因と考えており、4月に水沢で10人程度の待機児童が発生すると予測。人口減少に伴う需要減を考慮しても、10月にはさらに待機児童が出るとみられている。今後は、一時的に施設の定員を超えて受け入れを行うなどの入所調整や、胆沢地域に新設される認定こども園での受け皿拡充を踏まえ対応していく。
23日に市子ども・子育て会議(千田敏彦会長、委員19人)が市役所本庁で開かれ、市側が幼保施設の利用定員に意見を求めた。
水沢地域の私立4園が、4月から定員を計55人減らす意向。1号認定(幼稚園・認定こども園を利用する3歳以上児)は30人減、2号認定(保護者の就労などで保育が必要な3歳以上児)が19人減、3号認定(0ー2歳児)が6人減となる。他に私立1園が2号認定を8人増やす。
5月からは、別の私立1園が1号認定を10人減らす見通し。合計で57人減と見込まれる。
同地域の待機児童数は21(令和3)年4月と昨年4月時点でゼロだったが、同10月に27人、今年1月が42人となっている。一方、幼保施設の充足率は今年1月1日現在で1号認定53・0%、2号認定112・8%、3号認定66・1%。
充足率が100%に達していない施設がある中で待機児童が発生している状況から、市は「対応する職員の不足が原因の一つ」と捉える。定員を減らす施設は今以上の受け入れが困難であることを理由に挙げているという。
江刺地域では、私立1園が4月から2号認定を9人増やし3号認定を9人減らすとしており、全体の増減はない。待機児童は今年1月時点で13人いて、今年4月にゼロが見込まれるものの、同10月には発生すると予想されている。
会議では幼保施設の経営者が、保育環境を取り巻く現状などについて発言。職員を確保できれば園児の受け入れを増やせるが、募集しても応募がないという。一方で少子化が加速していることから「中長期的に見れば、どんどん職員を採用して経営を続けられるかというと、各施設とも難しい」と話した。市に対しては、保育士確保に向け強くアピールできる支援策の検討などを求めた。
写真=幼保施設の現状も示された市子ども・子育て会議
岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。

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