奥州金ケ崎消防本部(千葉典弘消防長)の山岳機動救助部隊の発隊式が24日、水沢大鐘町の水沢消防署車庫前で行われた。山中で事故に遭ったり遭難したりした人を無事に救助し、再び愛する自然と触れ合える日を迎えられるよう、隊員たちは25日から本格的な訓練に入る。
式では隊員12人に辞令書と、焼石連峰とハクサンイチゲの花のイラストがデザインされた部隊章が交付された。千葉消防長は「山岳地帯で傷病者の救出、行方不明者の捜索に当たってきた経験を基に、より安全に救助できる体制を作りたいという皆さんの切なる願いが結実し、部隊が立ち上がった。昨秋以来、綿密に協議を重ね万全の準備をしてきたこれまでの取り組みに感謝したい。入山者だけでなく、自分自身の安全確保にも留意して頑張ってほしい」と訓示した。
隊員の年齢は20ー40代。登山やトレイルランニング(未舗装路中長距離走)を趣味とする消防職員を中心に声がけし、部隊を編成した。普段は各所属消防署に勤務し、山岳救助や捜索事案が起きた際に招集。奇数月に山中宿泊を伴う全体訓練を行い、偶数月は複数隊員グループでの個別訓練を実施する。
鈴木健介部隊長(43)は「自然を愛する方々が事故に遭われた際には、しっかり救助して再び山に戻ってこられるよう、謙虚に自然を学び体力と技術の向上に努めたい」と決意。登山愛好者ら市民に対し、「山は誰でも行ける場所で、自然が好きという気持ちは周囲に邪魔されるものでもない。一方で自然は危険な一面を正直に見せてくる。初めて入山する人は、誰かと一緒に行くなど安全度を高めるのも大切。自然を甘く見なければ、楽しめる世界だ」と話していた。
隊員が訓練時に撮影した山の様子は、隊のインスタグラムを通じて市民や登山愛好家らに情報提供している。
写真=山岳機動救助部隊の隊員たち
岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。

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