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胆江日日新聞
pickup : 諦めない心 大切に 永尾嘉章さん(パラ陸上メダリスト)「やりたい道、思いっきり」(東水沢中出前授業)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2023-06-01 09:37:24 (376 ヒット)

 日本財団パラスポーツサポートセンター(山脇康会長)主催のパラスポーツ体験型出前授業「あすチャレ!スクール」が31日、市立東水沢中学校(後藤康校長、生徒372人)で行われた。夏季パラリンピックに日本人最多の7大会出場した永尾嘉章さんが講師を務め、諦めない心と夢を持つ大切さを強調。「自分がやりたい道を思いっきり進んでほしい」と生徒たちに語りかけた。

 永尾さんは、高校1年生の時に車いす陸上を始めた。1988(昭和63)年のソウルを皮切りに6大会連続、2016年のリオ大会にも出場。アテネ大会の400メートルリレーで銅メダルを獲得した。100メートル(T54クラス)日本記録保持者で、パラ陸上界のレジェンドと呼ばれている。
 授業は3年生120人を対象に行われた。永尾さんは競技用車いすの特徴やパラ陸上について説明した後、「レーサー」と呼ばれる3輪の車いすに乗りデモンストレーションした。
 生徒と教諭もレーサーを体験。声援に後押しされ、必死にタイヤを回した。バスケ用車いすを使ったリレーも行われ、白熱したレース展開に体育館が歓声に包まれた。
 講話で永尾さんは、パラ陸上を始めるきっかけをくれた恩師の存在やパラリンピックでの経験などを語った。35年間の選手人生で学んだのは、諦めないこと。「メダルを取りたいという強い気持ちがあったから、自分がやれることをやり続けた。応援してもらい、その思いを返すためさらに頑張れた。そのやりとりがあるからこそ、人は成長できる」と話した。
 できないことを批判するより、できる部分を認め合い尊重する大切さを強調。「誰かを助けようという気持ちが共生社会の第一歩。一人一人の思いは小さくても、大きな世界に変化が生まれていく」と呼びかけた。
 けがでも諦めず結果を出した経験から、「好きなことを見つければ、うまくいかなくても乗り越えようとする。その先に、今は想像できない自分が待っているのでは。諦めず夢を持って頑張ってほしい」とエールを送った。
 レーサーを体験した富樫晟哉さん(14)は「父が車いすを使っているので身近にあるが、乗ってみたら難しかった。最後まで諦めない気持ちで、中総体や受験に臨みたい。困っている人を助け、自分たちが共生社会をつくれるよう頑張りたい」と力強く語った。
写真=「レーサー」を体験する生徒たちにインタビューする永尾嘉章さん(中央)


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