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胆江日日新聞
pickup : 竪穴建物跡や勾玉確認 古代から近世、「集落」として活用か 発掘成果を現地解説(水沢・町屋敷遺跡)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2023-09-19 09:38:17 (258 ヒット)

 奥州市埋蔵文化財調査センター(佐藤良和所長)が進めている町屋敷遺跡発掘調査の現地説明会はこのほど、水沢真城字垣ノ内の同遺跡で開かれた。市民ら約30人が参加。古代から近世まで長く集落として使われた痕跡を見学しながら、地域史について理解を深めた。

 同調査は、宅地造成に関連して実施。調査面積は約330平方メートルで、調査期間は7月21日から今月末まで。調査区域は国道4号水沢東バイパスに隣接する。
 17(平成29)年の同バイパス工事に伴う発掘で、江戸時代に設けられた仙台藩の年貢米の保管・出荷施設「瀬台野御蔵場」の遺構が出土。また同発掘では、御蔵場移転後に建てられた屋敷群「町屋敷四十四軒」の跡も見つかっている。
 今回の調査では、奈良時代の竪穴建物跡2棟、江戸時代以降の掘立柱建物跡1棟などが出土した。竪穴建物跡からは土師器片や土製勾玉が発見されたという。説明を聴きながら、遺構を熱心にのぞき込む参加者の姿なども見られた。
 調査を担当した同センターの遠藤栄一専門調査員は「江戸時代以降の建物跡は比較的簡易な造りであることから、町屋敷に付随する倉庫などと思われる。近くを北上川が流れ、瀬台野館跡があった関係で御蔵場が設けられ、町屋敷ができるなど要地であったことも物語るのでは」と説明する。
 佐藤所長は「権力を表す奈良時代の土製勾玉としっかりした竪穴建物跡が出てきたことは、北上川沿いに続く古代集落がより南に広がっていくことを示す。近世史だけでなく、古代史にとっても興味深い成果となった」と話していた。
写真=近世の屋敷群「町屋敷四十四軒」関連の建物跡や奈良時代の土製勾玉などが見つかった町屋敷遺跡の現地説明会


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