学校支援ボランティアとして活動する市民を対象にした研修会(市主催)が16日、水沢聖天の水沢地区センターで開かれた。参加者は、現代社会を生きる子どもたちの生活環境や行動の特色などを理解し、活動の参考にしていた。
学校支援ボランティアは、朝読書や図書の整理、授業の補助、学校行事の支援、花壇の手入れなど、教職員だけではカバーしきれない部分をサポート。無報酬だが、子どもたちの健全育成に向け、教職員と連携して学校をよりよくする活動に寄与している。
社会状況や家庭を巡る環境が大きく変わる中、たとえボランティアであっても、教職員同様に子どもたちの様子を十分に理解しなければいけない。「昔はこうだった」が通用せず、場合によっては問題行為として指摘される恐れもあるという。
研修には18人が参加。市教育委員会の松本孝嗣・学校教育課長補佐と、多機能型事業所とくたん=矢巾町=の藤村ゆみ子所長を招き、子どもたちへの接し方や学校支援ボランティアならではの心構えなどについて学んだ。
松本補佐は「学校生活はスケジュールがぎっしりで、教職員だけではカバーしきれない。ボランティアの協力はどうしても必要」と述べた。ボランティアであっても、体罰や軽はずみな言動は厳禁。活動で知り得た個人情報を漏らさないなど、注意事項を列挙した。「今は男女共同参画や人権を守る意識も重要視されている。名前を呼ぶ時も『君』『ちゃん』ではなく、『さん』で呼ぶようになっている」などと、学校の現状を伝えた。
元保育士の藤村さんは、米国を中心に広まったペアレント・トレーニング(親訓練)を基に、子どもの行動に対する理解と具体的な対応のこつを解説した。
子どもを注意する際、「宿題をしなさい」「水筒を片付けていないよ」は好ましくない行動を指摘する表現。対して「またやって!」「何でそうなの!」「小学生なんだから」「しっかりしてよ、誰に似たんだか!」という言葉は、人格や性格を否定することだと説明。「行動のみに注目し、子どもの人格や性格に関わるような事に触れないことが重要」などと強調した。
写真=子どもの行動に対する対応方法を解説する藤村ゆみ子さん(右)
岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。

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