公益財団法人日本宇宙少年団(YAC、山崎直子理事長)の水沢Z分団結成30周年と、花巻分団結成10周年の記念式典が19日、水沢佐倉河の市文化会館(Zホール)で行われた。関係者が両団の歩みを振り返りながら、子どもたちの科学する心の育成に今後も務めることを誓い合った。
YACは、次世代を担う子どもたちを対象に、宇宙や科学に関する教育実践活動などを体験してもらう組織として、1986(昭和61)年11月に設立。全国に140余りの分団があり、約3000人の団員が加盟している。
水沢Z分団は93(平成5)年7月17日に結成。団名は、国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の前身、旧水沢緯度観測所初代所長の木村栄が発見した「Z項」にちなむ。天文台があるまちの利点を生かし、現役の天文学者による講演や各種体験学習を展開。これまでに延べ約1500人の子どもたちが活動した。現在は45人が所属している。
一方、花巻分団は2013年10月12日結成で、現在の団員は10人。2011年3月11日の東日本大震災を機に、さまざまな困難があっても自分たちで道を切りひらける人間になってほしいとの思いを込めて誕生した。「遊びの中で想定外を学ぶ」をモットーにしており、事故から奇跡の生還を果たした「アポロ13号」などを例に、リアルな体験を通じて未知に対応する力を育んでもらっている。
YACによると、県内にはこのほか「いわて不来方分団」があるが、休団中となっている。
式典でZ分団の亀谷收分団長は「(大リーグの)大谷翔平選手だけでなく、ブラックホール研究でも知られる天文台も奥州市の象徴だ。30年のうちに巣立った団員の中には宇宙関係の職業に就いた人もいる。これからも活動の幅を着実に広げていきたい」。花巻分団の佐々木和彦分団長も「Z分団の30周年と合わせて祝えることを幸せに感じる。10年後の節目も一緒に迎えることができたら」とあいさつした。宇宙飛行士でもあるYACの山崎理事長による祝福メッセージも披露された。
Z分団員で、専大北上高校1年の及川直人さん(15)、市立東水沢中3年の千田悠介さん(14)、同中1年の千田倖生さん(12)が登壇。「常に探究心と向上心を身につける」などと誓ったYAC憲章を唱和した。
後半は本間所長が「岩手からブラックホールへ銀河鉄道の旅」と題し記念講演を行った。
写真=YAC顕彰を唱和する(左から)及川直人さん、千田悠介さん、千田倖生さん
岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。

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