水沢前田でフランス料理店「エルミタージュ」を営む湯村恵さん（４５）は、店舗向かいに建築した自宅に併設する形で宴会場「ラ・メゾン」をオープンさせた。シェフの仕事をこなしながら、理想の披露宴、レストランウエディングの在り方を考え約１０年。「いいものを適正な価格で提供できたら」と話している。

　１９８３（昭和５８）年に開業した同店。湯村さんは１９歳で渡仏し修行、２３歳で帰国後は都内や長野県軽井沢町で腕を磨き、１２年前に家業を継いだ。
　５年前、店舗向かいの土地に住まいを新築。レストランウエディングができる宴会場も併設する建物に設計してもらった。居住部分は業者により完成させてもらったが、宴会場の内装や扉、クローゼットなどは湯村さんが妻の千尋さん（４４）らと仕上げ。昨年秋に完成させた。「新型コロナウイルスの影響もあり、空いた時間を利用して作業していた」と振り返る。
　既存店舗でも小規模な会食形式の披露宴、親族の顔合わせなどは対応できる。しかし、さざまな結婚披露宴を見たり、参加したりするうちに「もっとこういう風にできたら」という思いを抱くようになり、理想の実現へ構想を練ってきた。
　「結婚式、披露宴で気になるのはお金」と湯村さん。若いカップルへの思いに理解を示したフリーウエディングプランナーや生花店、ドレス衣装の会社、ジュエリーショップなど、婚礼に携わる地元関係者とタッグを組み、夢の実現に至った。
　昨年１１月、初めての披露宴を実施。より多くの人たちに広めたいと、このほどウエディングイベントを開いた。ウエディングプランナーの小山美衣子さん＝北上市＝をはじめ、８事業者が来場者の相談などに応じた。
　「披露宴だけでなく、通常の宴会やレンタルスペースとしてイベント開催もできる。屋外でのガーデンパーティーも楽しめる」と湯村さん。妻の千尋さんも「誕生日や何かのお祝いなどで当店を利用した思い出がある方などを中心に問い合わせがある。最大５０人程度の収容が可能。結婚式や披露宴の場の一つの選択肢として考えていただけたらうれしい」と話していた。
写真＝フランス料理シェフの湯村恵さんが、自宅に併設する形で造り上げた宴会場「ラ・メゾン」