岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 荻田耕造さん(江刺南町)に贈呈 文化財保護、継承へ尽力(第26回胆江日日新聞文化賞)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-03-08 09:44:04 (327 ヒット)

 胆江日日新聞社は創刊記念日の7日、郷土史研究家の荻田耕造さん(85)=江刺南町=に第26回胆江日日新聞文化賞を贈った。長年情熱を注いできた地域文化財の保護や継承活動の功績をたたえた。
 授与式は水沢柳町の本社で行われた。小野寺弘行社長は「地元の古文書解読や刀剣の調査・収集など幅広い分野で長年取り組んだ功績は多大。これからもたゆまぬ探究心と情熱を持って郷土の歴史文化の掘り起こしや調査・研究、その継承に尽力してほしい」と激励した。

 荻田さんは幼いころから講談などに親しみ、歴史や刀剣の魅力にひかれていった。大学卒業後、仙台の酒屋での修業を経て帰郷。本格的に地域史や刀剣の研究を始めた。25歳の時に岩谷堂伊達家の古文書群の一部を購入。独学で古文書解読に取り組んだ。
 約3000点の文書群の中には伊達騒動で知られる原田甲斐の書簡などもあり、後世に伝承しようと整理作業にも着手。「南鱗文庫」として一般に開放した。歴史好きの仲間から磁器の破片をもらった時は普通の焼き物ではないと見抜き、旧江刺市教育委員会へ寄贈。後の調査で平安時代に奥州藤原氏が中国から輸入した白磁のつぼだと分かった。現在は市指定文化財として、えさし郷土文化館に収蔵されている。
 趣味の刀剣鑑賞を通じて江刺生まれの雲龍子祐致(うんりゅうしすけむね)作の大太刀を発見したほか、地元の刀工・萬歳安国が幕末の相馬大作事件に巻き込まれた話を研究し、「萬歳安国一代記」を書き上げた。
 荻田さんは「自分の趣味で続けていた文化活動が、このように誰かに褒められるということはなかった。名誉な賞をいただき、うれしい気持ち」と笑みを浮かべた。
 胆江日日新聞文化賞 1996(平成8)年、本紙創刊50周年を記念して創設。胆江地方の文化、学問、スポーツなど地域活動に貢献し、顕著な功績を残した個人・団体を顕彰している。
写真=第26回胆江日日新聞文化賞に輝いた郷土史研究家の荻田耕造さん


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