岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 最後のページ歴史に刻む 前を向いて未来へ(水沢黒石小)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-03-17 09:40:50 (433 ヒット)

 市立黒石小学校の閉校式は、水沢黒石町字長根の同校体育館で行われた。
 高橋勝教育長の教育委員会告辞、倉成淳市長の式辞に続き、塚本岳也校長は「これまでの歴史の重さ、4700人余りの卒業生の皆さまの母校に向ける心情を思うと、惜別の念いかばかりかと察する。私たち教職員は創立150周年、そして学校最後の1年に最高の歴史の一ページを刻もうと、教育活動を進めてきた。地域の皆さまには、子どもたちが瞳を輝かせながら活動する姿を見ていただけたかと思う。児童の皆さんは、黒石小学校で学び培った力に自信と誇りを持ち、大いに活躍してほしい」とエールを送った。

 児童会長の佐々木龍君が、全校児童を代表し登壇。6年生7人は、15日に卒業式を終えたばかり。このうち佐々木君を含む4人は、18(平成30)年3月に閉園した市立黒石幼稚園最後の卒園児だったという。「まさかこうして黒石小学校最後の卒業生になるなんて、正直思ってもいなかった。閉校式を迎え、なんだか寂しくて仕方ない」と胸の内を語った。
 6年間の学校生活を振り返りながら「さまざまな思い出をつくってくれたこの校舎とも今日でお別れ。今まで本当にありがとう。厳しくも優しく指導してくれた先生、多方面から支えてくれた地域の方々、寺子屋やジャンボかるた大会などでお世話してくださった先輩方、そして家族の支えがなければここまで頑張ることはできなかった。黒石小学校の歴史は終わることになるが、前を向き新たな未来へと歩みを進めていきたい」と誓った。
 閉校式後は、創立150周年と閉校を記念した「ありがとう新たな未来へ」の集いが開かれた。学校の様子を収録した記念映像を鑑賞したほか、在校生による全校合唱、よさこいソーランの演舞、蘇民太鼓の演奏などを披露。子どもたちの精いっぱいのステージに、200人余りの地域住民や保護者、卒業生らからは大きな拍手が送られた。教職員も目頭を熱くしていた。
 集いの後半は、未来へ向かって「上を向いて歩いて行こう」との願いを込め、PTAや同校卒業生の「寺子屋リーダー」によるバルーン・リリース(風船飛ばし)セレモニーを実施。創立150周年にちなんだ150個の風船を、夕焼け色に染まり始めた空に向かって一斉に放った。
写真=心を込め合唱曲「Believe(ビリーブ)」を歌う黒石小児童たち

「ありがとう」心込め
胆沢・愛宕小

 胆沢若柳の市立胆沢愛宕小学校では同校体育館を会場に、児童や教職員、保護者、来賓ら約160人が出席して閉校式。
 同校は「あいさつ」「読書」「はたらく」の三つの日本一を目指して取り組んできたほか、1963(昭和38)年から下鹿合剣舞の伝承活動を行うなど、長年にわたり学校生活を充実させてきた。1899(明治32)年に四つの分教場を統合した愛宕尋常小学校として創立。124年にわたる歴史の幕を閉じ、4月に若柳小と統合する。
 高橋勝教育長の教育委員会告辞、倉成淳市長の式辞に続き、五安城宏彦校長はあいさつで「胆沢愛宕小は家庭や地域の願いとともに設立され、温かなつながりと絆の中で笑顔あふれる子どもたちを育ててきた。胆沢愛宕小の伝統を引き継ぐ若柳小に今後も変わらぬご支援を願う」と述べた。来賓を代表し菅原由和市議会議長があいさつした。
 6年生で児童会長の鳥居あいさんがお別れの言葉。目指してきた三つの日本一(あいさつなど)や剣舞の思い出を話し、家族や友人、地域住民の支えに感謝した。その上で「これからのあいさつは、『今までありがとうございます。これからもよろしくお願いします』。そんな思いを込めてしたい」と話し、最後には「ありがとう、胆沢愛宕小学校」と心を込めた。五安城校長から倉成市長への校旗返納後、出席者全員で校歌を歌った。
 引き続き、閉校事業実行委員会(安倍明芳委員長)主催の「閉校記念式典〜愛宕っこの絆〜」を開催。地域住民含め約200人が出席した。オープニングでは、出席者の周囲を囲む形に児童が広がって剣舞を披露し、大きな拍手に包まれた。安倍委員長のあいさつに続き、歴代校長へ感謝状を贈呈。学校の歴史などを振り返るスライドショーも行われた。
 児童たちは壇上に並んで思い出などを発表し、「ありがとう胆沢愛宕小学校。さようなら、さようなら」と声をそろえ、合唱を披露。出席者全員で校歌を斉唱し、学び舎を心に刻んだ。会場を移し「思い出を語る会」も企画した。
写真=閉校記念式典で壇上に並び発表を行う胆沢愛宕小児童たち


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