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胆江日日新聞
pickup : 服飾デザイナー鈴木詠一さん(北上) 人首で工房兼ギャラリー 洋館風の旧家屋を改修 「集い語らう場に」(江刺米里)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-04-13 09:44:09 (737 ヒット)

 元外務省職員でデザイナーの鈴木詠一さん(40)=北上市=が、江刺米里字人首町にある旧菊池邸のリノベーション(改修)に取り組む。かつての宿場町で異彩を放つ洋館風の旧家屋を、制作拠点やアートギャラリーとして再生する計画。興味のある人に見てもらおうと、19日から3日間、自身が手がけた洋服の展示会を開く。鈴木さんは「人が集い、語り合える場にしたい」と意欲を語る。

 鈴木さんによると、旧菊池邸は1925(大正14)年に建築。みそ、しょうゆの醸造元や郵便局としても使われ、住民に親しまれた。県道8号に面し、石造りのような洋館風の外観がひときわ目を引く。水沢と気仙をつないだ盛街道の宿場として栄えた往時をしのばせ、15年ほど空き家となっていた。
 鈴木さんは22(令和4)年8月、大伯父の墓参りで人首を初めて訪れた際、菊池邸のデザインに魅せられた。「格好いいの一言。衝撃的な出合いだった」。近く取り壊される計画だったが、昨年4月、市外で暮らす所有者に思いを伝えて買い取った。
 奥行きのある2階建てで、洋間と和室を備える。建物に傷みがあるため、外壁や屋根など特徴的な意匠を残しながら、時間をかけて修繕していく。各種ワークショップに加え、ゆくゆくは民泊や飲食サービスも提供したいという。
 鈴木さんは「人が人を呼び、語り合っていけたら。皆が気軽に集まり、くつろげる場にしたい」と話す。
 鈴木さんは02(平成14)年、同省に入省。メキシコやボリビアにある日本大使館に勤めた。デザイナーを志し、14年に退官。ドイツで仕立ての腕を磨き、自身のブランド「Gorsch」(ゴーシュ)を立ち上げた。22年6月に北上市へUターン。来月からは旧菊池邸近くにアトリエを構え、新天地で服作りを始める。
 初の展示会に向け、今月6、7の両日、市協働のまちづくりアカデミー修了生ら約20人の協力を得て、一部の家財を運び出した。米里地区センターの竹内美紀事務長(47)は「米里の魅力の発信につながり、とてもうれしい」と述べ、交流人口の増加に期待する。
 展示会は午前11時から午後5時(最終日は同3時まで)。誰でも無料で入場できる。所在地は江刺米里字人首町57。
写真上=洋館風の造りが旧宿場町でひときわ目を引く旧菊池邸
写真下=旧菊池邸で自ら手がけた服の展示会の準備を進める鈴木詠一さん


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