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胆江日日新聞
pickup : 江刺米里で100年脈々 誇りと情熱 次代へ OB有志4人が創立記念碑(軟式野球「鳴瀬クラブ」)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-04-26 09:41:04 (232 ヒット)

 江刺米里地区の軟式野球チーム・鳴瀬クラブが、創立100年を迎えた。OB有志4人が節目を祝い、記念碑を地元の私設文学資料館・人首文庫(佐伯研二館主)に来月建立。郷土の先人が世代を超えて育んだ誇りと情熱を次代へつないでいく。100周年をコロナ禍で迎え、記念行事を行えずにいた現役メンバーは一層の飛躍を決意する。

 同クラブは1920(大正9)年、佐伯館主(74)の大叔父で、後に内務官僚となった佐伯郁郎さん(故人)らが中心となって創立。郷土を流れる鳴瀬川(人首川)にちなみ命名した。
 郁郎さんが早稲田大学に入学後、白球を追う野球部員の姿に心を打たれ、郷土の若者にその素晴らしさを伝えたいと一念発起。住民の協力で資金を集め、道具一式をそろえるなど奔走した。当時の米里はテニスが盛んだったが、宗教を含め異文化に寛容な特有の精神風土を背景に、野球も急速に広まったという。今も8月のお盆に集落対抗の野球大会を毎年開くなど、住民の野球熱は脈々と受け継がれている。
 有志は、旧米里中の第24回卒業生の及川晃一さん、昆野祐一さん、千葉俊作さん、千田一夫さん。同校と同クラブで共に野球に熱中した。古希に合わせ古里に何かを残したいと考え、記念碑を自費で建てることにした。千田さん(68)は「米里で野球を広めた先人の功績を顕彰し、鳴瀬クラブの歩みを広く知らせたい」と思いを語る。
 人首文庫の協力で、米里字本小路地内の敷地に記念碑を建立。佐伯館主の父・公郎さん(故人)も投手として活躍するなど、同クラブの最盛期を支えた功労者の一人だ。
 5月5日に現地で除幕式を行い、関係者が建立を祝福する。佐伯館主は「米里のスポーツ文化史に光を当てる記念碑を建ててもらえるとは夢にも思わなかった」と喜ぶ。
 同クラブは現在、20ー30代を中心に住民や出身者ら33人が所属。「全員出場野球」をモットーに、県大会などで好成績を残す。オール江刺硬式野球部の監督も務める杉田裕樹総監督(45)は「長く続けてこられたのも先輩方のおかげ。歴史を絶やしてはいけない」と力を込める。
 2020(令和2)年に創立100年を迎え、同クラブは記念式典などを計画したが、コロナ禍で開催を控えていた。荒井将旭監督(45)は有志4人の計らいに、「地域の方々の思いも胸に活動していきたい」と健闘を誓う。
写真=鳴瀬クラブ創立時に故・佐伯郁郎さんが着ていたユニホームを手に笑顔を見せる佐伯研二さん(左)と千田一夫さん


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