岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 国史跡 魅力間近に イベントと学習会盛況(金ケ崎・鳥海柵跡)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-04-29 09:44:29 (230 ヒット)

 金ケ崎町西根の国指定史跡・鳥海柵跡。指定区域面積約11万平方メートルのうち、町道に面する北側の縦街道南地区は、かつて中学校や工場用地として活用された名残もあり、緑地が広がっている。史跡を一望できる場所にカフェ「スゴスヒトトキ」を構える朝倉志穂さん(48)は、賛同者5人と共に実行委員会を組織し27日、同史跡でイベント「eDAY〜佳い日、とのみ」を開いた。「史跡の周知と魅力発信」につなげようと初開催。来場者は出店や体験企画などを楽しんだ。町主催の史跡学習会「てくてくとのみファミリーラリー」が同時開催され、来場者はクイズに挑戦しながら史跡への理解も深めた。

 イベント「eDAYーー」は約20の地元企業や団体、個人らが出店や体験イベントなどを提供。多くの親子連れらが会場内で軽食を味わったり、バンド演奏やマジックショー、まき割りを体験をしたりとゴールデンウイーク(GW)の一日を満喫した。
 メインテーマは「なんにもないを愉しむ一日。」。朝倉さんは「今朝会場を訪れると、開催前からシートを敷いてくつろいでいる人や、バドミントンを楽しんでいる人がいた。“なんにもない”を楽しもうと訪れてくれた姿に、その時点で今日は成功と言えるなと感じた」と話していた。
 今後の開催については未定で、今回得た「何もない場所でできる」という経験から、町内外へ場所を移しての実施も視野に入れているという。
 町では、町中央生涯教育センターが例年史跡に関する学習会などのイベントを企画。23(令和5)年には国指定10周年を記念した同ラリーを企画したが、荒天により中止した。朝倉さんからイベント開催の相談を受け、史跡学習の場としても生かそうと同ラリーを実施した。
 同ラリーは、受け付け終了時間の30分ほど前に予定数が終了するなど大盛況。専用のカードを手にした親子連れが史跡内を巡りながらクイズに答え、楽しみながら学びを深めた。参加者には同史跡や周辺施設のパンフレットをはさんだオリジナルクリアファイルとペンが贈られた。
 同センター文化財係の西村佳菜子さん(35)は「同時開催という形もあって、これまでの企画以上に若い世代の人が興味を示してくれた。これを一つのきっかけに、町の宝としての史跡アピールに一層力を入れていきたい」と手応えを感じていた。
 同史跡は、陸奥国の奥六郡を支配した豪族安倍氏の拠点で、軍記物語『陸奥話記』に記される12柵の中で唯一場所が特定されている遺跡。11世紀の地方の様相を解明するとともに、律令国家による支配から自立し、平泉で結実する奥州平泉文化の起源などを知る上で重要な遺跡とされる。南北約500メートル、東西約300メートルに及び、3条の谷(開析谷)によって4区画に分割された台地に立地。自然地形を巧みに利用し防御機能を高めながら諸施設を配置したとみられ、安倍氏の台頭期から全盛期にかけての状況を今に伝えている。
写真=初開催の「eDAY〜佳い日、とのみ」でマジックショーを楽しむ来場者


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