岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 江刺稲瀬に伝わる金津流石関獅子躍 伝承見据え装束手作り 演舞でお披露目 飛躍誓う
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-04-30 09:40:29 (256 ヒット)

 江刺稲瀬の金津流石関獅子躍保存会(小原剛一郎会長)は装束9頭分を新調し、29日、地元の石関会館で獅子頭の魂入れの神事を行った。郷土芸能に関わる担い手不足が進む中、今後の伝承を見据えて自分たちで道具を制作。住民ら約60人を前にお披露目の演舞も行い、関係者らが一層の飛躍を誓った。

 石関獅子躍は1779(安永8)年、宮城郡国分松森村(現・仙台市泉区松森)から伝えられ、本県の金津流獅子躍の流祖とされる。以降、13代にわたって伝承されたが、1955(昭和30)年ごろ、後継者不足などに伴い活動が途切れた。半世紀近くを経た2001(平成13)年、保存会が立ち上げられ復活。伝承活動を再開させた。
 現在の踊り手は、14代の師匠9人、15代の若手9人に加え、最近加わった中高生4人。皆で使う装束が傷んでいたため、今回は15代9人に託す分を制作した。15代は13年に入門式、18年に役付式に臨んでおり、今後は師匠から伝授書を引き継ぐ相伝式を目指すという。
 装束の新調は23年ぶり。踊り手や家族、支援者らが頭を組んだり、はかまを縫ったりして3年かけて作業した。生地の塗りや頭の彫りなどは市外の職人に託したものの、江刺梁川の金津流野手崎獅子躍の菊池司師匠(77)の助言を受けながら、大半を自分たちで仕上げた。
 魂入れの神事後、新装束をまとった15代の6人と岩谷堂高校2年生2人の計8人が「礼庭」を披露し、住民らを魅了した。
 リーダー役の中立を務める15代の中村優太さん(41)は「身が引き締まる思い。後継者不足が進む中で伝承していくためにも、見た人が感動しやってみたいと思ってもらえる踊りを続けていきたい」と誓いを語った。
 庭元でもある小原会長(77)は「郷土芸能を伝承するには、踊りの技術だけでなく、道具を自分たちで作れるようにしておくことも大切」と強調。師匠代表の安部靖さん(49)は「石関獅子躍が復活してよかったと住民の皆さんに思ってもらえるような活動を続けてほしい」と若手にエールを送る。
写真=新調した装束をまとい、勇壮な踊りを披露する金津流石関獅子躍のメンバー


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