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胆江日日新聞
pickup : 生誕220年迎えた高野長英 節目記念し事業計画 新会長は渡辺唱光さん(顕彰会総会)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-05-09 09:39:22 (238 ヒット)

 高野長英顕彰会の総会は8日、水沢大畑小路の高野長英旧宅「古稀庵」で開かれ、24(令和6)年度の事業計画や収支予算を原案承認した。今年は高野長英(1804ー1850)の生誕220年の節目に当たり、記念事業として12月上演予定の奥州市民劇「長英の夢物語ー幕末の蘭学者・高野長英の生涯ー」(仮題)への全面協力や記念シンポジウムの開催検討などに取り組んでいく。役員改選も行われ、新会長には前副会長の渡辺唱光さん(66)が就いた。

 長英は水沢伊達家家臣・後藤実慶の三男として誕生。母方の伯父、高野玄斎の養子となり、高野姓となった。長崎で医学や蘭学を学び、日本の将来を見据えて志を貫き続けたが、鎖国政策に異を唱えたことが幕政批判と受け止められ、非業の最期を遂げている。今月5日には、同顕彰会が主催する誕生祭が水沢吉小路の瑞皐高野先生誕生之地公園で行われ、関係者ら27人が出席した。
 総会の会場となった古稀庵を含む高野家関連の建物4件が国有形文化財に登録される見通しとなっており、長英の顕彰機運が高まっている。
 総会には会員ら16人が出席。昨年度の事業報告では、長英のほか後藤新平や斎藤實の各記念館を巡る冬の3館ウオーク(昨年11月3日ー今年1月28日実施)についての報告があった。他地域からの参加者が増えて取り組みに広がりがみられ、成果があったとする一方で、開始早々は好調だったが後半に伸び悩んだことが課題として挙げられた。
 改善点として、市外への周知のほか通年開催や市内各種少年団体への参加呼びかけなどを検討事項とした。同顕彰会は「事業実施から6年となり、冬の風物詩として認知されつつある。奥州市の先人教育や家庭教育に資する事業となっており、次年度も継続して実施したい」としている。
 本年度の事業計画によると、市文化振興財団(鈴木美喜子理事長)が12月に奥州市文化会館(Zホール)で長英を題材に市民劇を上演予定で、成功に向けて全面的に協力する。記念シンポジウムの開催も検討しており、新役員会で方策を協議していく。発行が途絶えていた会報についても前向きに検討する。
 このほか、足跡巡りの開催や奥州先人顕彰懇話会への参加、資料収集、学術調査なども計画に盛り込んだ。渡辺会長は「生誕220年の節目となり、大きな事業が控えている。長英先生の遺徳をしのびながら後世に伝えられるよう、役員と会員で力を合わせて取り組んでいきたい」と意気込んでいた。
写真=高野長英を題材とした市民劇への全面協力など本年度の事業計画を決めた高野長英顕彰会の総会


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