メイプルは水沢中心市街地活性化の拠点施設として、84年に着工。地下1階、地上4階で屋上駐車場を備える東館と、自走式立体駐車場をメインとした西館で構成する。開店当初は管理・運営は水沢中央ビル(株)が行っていた。
“県南の商都”を象徴する施設としてにぎわったが、時代の変化とともに郊外店に客が流出した。売り上げの落ち込みなどを背景に、2005(平成17)年には核テナントだったジャスコが撤退。閉店に追い込まれた。
国の補助事業を活用し地下に公共施設を入居させるなどして、06年4月にリニューアルオープン。水沢中央ビルの後継として、(株)水沢クロス開発が設立され管理・運営を担ってきた。
しかしリニューアル後も、思うように客足を伸ばすことができず、19年には核店舗のスーパー「ジョイス」が退店。食料品スーパーの(株)マルイチを誘致しテナント確保に努めてきた。
空きテナントが目立つなど厳しい経営状況が続き、昨今の電気料金の高騰が追い打ちに。水沢クロス開発は22年10月、テナントに対して23年4月末での賃貸借契約解約を通知した。
3月末までに、民間テナントのほとんどがメイプルを去った。市は、不動産鑑定評価額などに基づき建物と敷地を取得する方針を示している。同評価額は合わせて約2億6000万円。
メイプル閉店後も、東館と西館に入居する公共的施設は引き続き利用できる。
東館地下にあるのは奥州パーソナル・サポート・センターやエンゼルプラザみずさわ、親子ライブラリーえほんの森など。駐車場は屋上のみ利用可能で、北側エレベーターが稼働している。1階正面玄関からも入れる。開館時間は午前8時半から午後7時までだが、大型連休中は変則的。会議室と多目的ホールは、3月末で貸し出しを終了している。2階にある「結婚サポートセンターiーサポ奥州」は、5月中旬以降、地下に移転する予定だ。
西館1階の市まちなか交流館、2階の市上下水道部お客様センターについてもこれまで通り利用できる。
写真=メイプル閉店後も利用できる東館地下。公共的施設が入居している
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