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胆江日日新聞
pickup : 震災復興支えた「SL銀河」 復活願う声5374人分 県やJRに署名提出(水沢出身出口さん)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2023-07-26 09:41:20 (583 ヒット)

 JR釜石線で6月11日まで運行していた観光列車「SL銀河」の復活を求める5374人分の署名簿が25日、県に提出された。同趣旨の署名はJR東日本盛岡支社にも既に提出済み。運動を実施した水沢出身の臨床工学士、出口聖也さん(22)=仙台市在住=は「コスト的に難しい面もあることは重々承知しているが、宮沢賢治の世界観など、これほど完璧なステージが残っている岩手でSLが消えるのは残念。他にはない素晴らしいものを持っているので、しっかり活用し人々に愛される岩手にしてほしい」と呼びかけた。

 SL銀河は東日本大震災の復興支援、沿線地域活性化を目的に、JR東日本が14(平成26)年春に運行を開始。盛岡市の交通公園に保存されていたC58形239号機を復元させ、週末を中心に花巻ー釜石間を走行していた。
 しかし、使用している客車の老朽化を理由に今年6月で運行を終了した。機関車は定期検査の有効期限が残っているため走行可能な状態で、盛岡駅構内の車庫に留置。客車は既に廃車処分となった。
 鉄道ファンであり、SL銀河に強い愛着を抱いていた出口さんは、大学生だった昨年9月に署名運動を開始。インターネット上で署名を集めるサービスを活用し呼びかけたところ、県内外から5000人を超える賛同者が集まった。
 署名簿提出のため県庁を訪れたのは、出口さんや活動に賛同した釜石線沿線住民、県内外在住者など小中学生を含む10人。一人一人、SL銀河に対する熱い思いを語り、出口さんが県観光・プロモーション室の高橋利明室長に署名簿を手渡した。
 出口さんは「SLは人間味のある機械で、大人から子どもまで元気づけてくれる存在。かつて戦後復興を支えたSLは、時を経て大震災復興をけん引する象徴として活躍したが、震災復興はまだ終わっていない。子どもたちに夢や希望を与え、その希望は国の発展にもつながる」と強調。「県や沿線自治体が車両を保有しJRが運行を担当するなど、いろいろな手法が考えられる」とも語り、存続への理解を求めた。
 高橋室長は「運行終了は、JR側の経営上の判断でもあり苦渋の選択だったとも聞いている。一方で皆さんの思いも非常によく分かる。このような署名が届いたという話はJR盛岡支社にも伝えたい」と話した。
 署名は今月19日に同支社にも提出。同支社広報グループによると、署名は受理したが会社側から特にコメント等はしていないという。
写真=SL銀河存続を求める署名簿を高橋利明室長(左)に手渡す出口聖也さん


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