岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 市遠隔診療車を稼働 通院難の患者宅へ 医師がオンライン診察(衣川)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-01-23 09:43:33 (320 ヒット)

 看護師を乗せた車両が患者宅を訪れ、衣川診療所の医師がオンラインで診察する市遠隔診療車の出発式は22日、衣川保健福祉センターで行われた。関係者や地域住民が集まり、1年がかりで実現にこぎ着けたモバイルクリニック(遠隔診療)のスタートを喜んだ。同診療所の近藤克幸所長(58)は「課題を洗い出し他地域でも活用しながら、市が全国の先進地になれれば」と力を込めた。

 実際の診療開始は2月上旬を予定し、同診療所の医師2人が対応。同診療所に通院中の人が対象で、衣川地域で運行する。毎週火曜日の午後、身体状況や交通手段がなく通院が困難な患者宅に出向く。薬は当面、4日以内に家族が診療所へ受け取りに行く。
 車両はワゴンタイプで、診療所スタッフが細部までこだわり動線も含めて配置などを一から考えた。市独自に電子カルテや電子聴診器、洗面台、補助席を配備。診察用モニターや超音波診断装置、電子心電計なども載せている。衣川特産のリンドウから、「りんりん号」と命名した。
 出発式には約40人が出席。倉成淳市長は、近藤所長やアドバイザーを務めた東北医科薬科大の大佐賀敦教授らに感謝しながら「遠隔診療は、小さな拠点づくりプロジェクトの大きな柱と位置付けている。人とのつながりを大切にする地域で、人のつながりにより事業がスタートできた」と述べた。
 住民を代表して衣川地域振興会連絡会の阿部睦雄会長が「通院困難者への対応は地域課題の一つ。導入により、住民が愛着ある地域で安心して暮らし続けられれば」と願った。
 テープカットで出発を祝った後、同診療所に移動しデモンストレーションを行った。車両に乗り込んだ患者を、診療所内にいる近藤所長がモニター越しに診察。看護師が聴診器を当て、リアルタイムで医師がデータを確認した。
 近藤所長は「広大なエリア、少ない医師という不利な条件でもモビリティとデジタルの二つの技術を駆使して新たな医療、地域包括ケアの形を模索していく。不安がないわけではないが、恐れて何もしなければ状況は改善されない。やっていきながら、トラブルなく診察を続けられるよう確立していきたい」と意気込んでいた。
 市は新年度に、運行エリアの拡大を目指している。
写真上=衣川特産のリンドウにちなみ紫とピンク色のグラデーションのデザインが目を引く車体
写真下=遠隔診療車のデモンストレーション。看護師が同乗しモニター越しに医師が診察した


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