岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 地域の魅力向上 力合わせ 衣川中2年生 近隣施設充実へ計画(地域再生プロジェクト)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-01-27 09:40:04 (291 ヒット)

 市立衣川中学校(八重畑亘校長、生徒75人)の2年生28人は、地元施設の調査と整備による「地域再生プロジェクト」の具体化を図っている。26日に同校で開いた第1回プロジェクト協議会では、学校近くの3施設の充実を目指し、景観や利便性、魅力の向上を図る計画を発表。新年度には後輩たちを加えて全校生徒でプロジェクトに取り組んでいこうと、入念な準備を進めている。

 総合的な学習の一環として1年生のころからプロジェクトに挑み、▽ポケットパーク「パークふるど」▽木の香り公園▽史跡一首坂ーーの現地調査などを実施。各施設には「地域交流の場」「衣川の歴史を内外の人に楽しんでもらう場」などの役割を想定した。
 協議会は、外部講師として市担当課職員や市地域おこし協力隊、地元振興会関係者ら15人を招き開催。生徒たちが2年かけて用意した計画を披露し、外部講師は柔軟な発想力に感心しながら、大人の視点から現実的な実施方法などを助言した。
 生徒は、各施設に遊具や花壇を整備したり、リーフレットを作成したりといった取り組みを提案。衣川地域内の児童生徒を巻き込む企画を行う場とし、郷土愛を育みながら継続的な施設利用につなげようという考えも示した。
 外部講師が安全性などの問題から実施が難しいものに代替案を提示したり、先進事例からヒントを得るよう助言したりなど、生徒と講師によるディスカッションも実施した。
 衣川地区振興会の千葉正義事務局長(68)は「施設の維持やPRについての課題を考えてもらい、地域振興を担うものの1人として反省させられるような思い。子どもたちが地域のことを本気で考えてくれているのがありがたく、その発想や願いを一つでもかなえられるよう力になっていきたい」と話していた。
 施設内に植える花について、市教育委員会歴史遺産課が管理の手間が少ない品種や、市内別施設から株を分けられる品種などを提案する様子も見られ、生徒の計画が具体的な形を帯びていった。
 藤原優衣さん(14)は「提案に対し講師が実現可能な形を考えてくださり、とてもうれしい。できる範囲のことにしっかり取り組めば、衣川の活気につながると思う」と期待を込める。藤巻圭人さん(14)は「さまざまな問題で実現できないものがあるのは残念だが、それらを受け止めながら、今できる地域再生の形を実現させていきたい」と意気込んでいた。
 3カ年計画で生徒たちの取り組みを見守る同校の及川友彦教諭(46)は「人口減少や少子化が進む中、衣川にいたい、離れてもいつかは戻りたいという郷土愛の醸成にもつながってほしい。大人の目線での指摘や助言が入ることで、子どもたちも一層真剣になってくれている。計画を一つでも多く実現させ、衣川の活性化と子どもたちの成長をかなえていけたら」と願っていた。
 年度内には、実際に各施設で取り組む内容を決める予定。3年生となる新年度には、1ー2年生に各施設の役割やこれまでの取り組みを解説する。全校生徒で再生活動に1年間取り組み、その後も継続的な取り組みとして後輩たちへ引き継いでいきたい考えだ。
写真=外部講師とのディスカッションで具体的な計画を練る生徒たち


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