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pickup : 愛と友情 紡ぐ舞台 感動呼び込む(奥州前沢劇場)
第23回奥州前沢劇場「えぞにしき〜菅江真澄 旅の記憶〜」は4日、前沢七日町裏の前沢ふれあいセンターで上演された。新型コロナウイルス禍で公演がかなわなかった演目を、ついにお披露目。江戸時代の歌人菅江真澄(本名=白井秀雄)が、歌人仲間や地域住民と育んだ愛と友情の物語が来場者の胸を熱くさせた。
舞台は、各地で飢饉が多発していた東北地方。白井は重大な使命を帯び、三河から蝦夷までの長い道のりを旅していた。途中、歌人仲間の鈴木常雄を訪ねて立ち寄った前沢での交流を巡るストーリーだ。
21(令和3)年の第21回公演が予定されていたが、コロナ禍による延期と演目変更を余儀なくされ、念願の舞台となった。午前と午後の2回公演で、市民ら計836人が来場した。
脚本を担当し、自身もキャストとして出演した胡桃沢もこさん(58)=前沢白山=は公演後、「白井は蝦夷への旅を3年我慢したが、この舞台も同様に3年を経て実現し、一層感慨深い思い」とかみしめた。「ベテランから初参加の人まで、キャストとスタッフが力を合わせて考えてきたものを良い形で表現できた」と話していた。
白井を演じた佐藤潔さん(65)=江刺田原=は「練習に全力で取り組んできたからこそ、本番が練習以上の舞台になったと感じている。本当にたくさんの方が見に来てくださり、幕が開いた瞬間に強く身が引き締まった」と公演を振り返った。
写真=コロナ禍を経て念願の舞台を成功させた第23回奥州前沢劇場