岩手県奥州市、金ケ崎町の地域紙。第2回ふるさと新聞アワード(2022)グランプリ & Googleアワード受賞。
胆江日日新聞
pickup : 課題解決へ訴え重ね 17陣営 町内行き交う(町議選告示)
投稿者 : tanko 投稿日時: 2024-02-14 09:40:30 (370 ヒット)

 13日に告示され、選挙戦が確定した金ケ崎町議選(定数16)。同日朝、立候補者がそれぞれの拠点で第一声に臨み、有権者が審判を下す18日の投開票に向けて5日間の舌戦が幕を開けた。支持を呼びかける各陣営の選挙カーが町内各地を行き交い、無投票の観測から一転して少数激戦の攻防が始まった。人口減少が進む中、地域の持続可能性や農業・産業振興、防災対策の充実、医療体制の整備など町政課題解決に向けた各候補の主張に、有権者は耳を傾けている。

 立候補したのは現職13氏、新人4氏の計17氏で、うち女性は3氏。党派別では公明が新人1氏(北部地区)、幸福実現が現職1氏(南方地区)、共産が現職1氏(街地区)で、14氏は無所属。生活圏別では、街地区が現職4氏、西部地区が現職2氏、三ケ尻地区が現職1氏、北部地区が現職2と新人1の計3氏、永岡地区が現職1と新人1の計2氏、南方地区が現職3と新人2の計5氏となっている。
 複数の自治会が連携し候補者を擁立するなど、地域選挙の様相が色濃い同町の町議選。今回選を巡っては、年末年始にかけて出馬や現職の勇退など意向表明が本格化したものの、1月中旬には立候補者が議員定数の16人に満たない可能性も浮上していた。
 同18日の立候補予定者届け出説明会には現新合わせて16陣営が出席。その後、勇退の考えを示していた複数の現職が「町議不在の地域にしてはいけないという声が多くあった」「後継者との調整が付かなかった」などとして再登板を表明したが、選挙戦となるかは告示日まで流動的だった。
 町民や陣営関係者からは「無投票は好ましくない」といった声も多く聞かれた。結果として、ぎりぎりまで可能性を探ってきた陣営の届け出により、1955(昭和30)年の新町誕生以来初めてかと懸念された無投票は回避された。
 今回選では、県交通の路線バス廃止に伴う地域公共交通の充実や基幹産業である農業の振興、防災・減災対策、子育て支援、医療体制の整備などを公約に掲げ、支持を呼びかける候補者が多い。
 同町永栄上田谷の専業主婦及川郁さん(45)は「小中学生3人を育てているため、子育て支援の充実を」と期待。町議には「町民の声が反映されていると感じられれば、これからの世代の選挙に対する関心が高まる」と求めた。
 同町永沢関田の農業伊藤富雄さん(78)は「農業では担い手の高齢化もあって、農機具の管理一つとっても大変な苦労がある。農業者をはじめ、地域全体が元気になるような取り組みをしてほしい」と要望。議員のなり手不足については「若い人に将来への希望を示すことができれば、町に対する要望活動につながり、議員に名乗り出る人も増え地域が活発化すると思う」と指摘した。
 同町西根南町の無職佐藤キヨ子さん(87)は「新型コロナウイルスの影響で皆余裕があるわけではない。(なり手不足は)当然の流れかもしれない」と考えている。一方で議員には「都会から農村部へ若者を呼ぶ手だてがあれば活性化につながるのでは。どんな小さなことでも町民の声に耳を傾けてほしい」と願っていた。
 議員報酬見直しの必要性を強調する声も。三ケ尻瘤木丁のパート従業員及川節子さん(73)は「ベテランが培ってきたものを生かすという考えもあるだろうが、やはり若い人たちの声もほしい。地域を活性化し住みよい町にしてほしい」と現役世代が出馬できる環境の整備を求める。西根入道森のパート従業員遠藤連治さん(74)は「若い人たちがここに残り、町づくりをやってもらえるようにならないと。そのためには、今の議員報酬では会社を辞めてまでやる人は出て来ない」と力を込めた。
写真=無投票の観測から一転して少数激戦に突入した金ケ崎町議選。立候補者の演説に耳を傾ける支持者ら


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