衣川地域の3小中学校は、中学校進学時の子どもたちと教職員双方の不安を軽減しようと、小中連携教育に力を入れている。22(令和4)年度から市立衣川中学校(八重畑亘校長)の教諭が地域内の小学6年生を訪ねて行う「乗り入れ授業」を導入。教諭と次年度入学する児童たちが交流を深め、スムーズな進学へつなげている。
同地域では以前から、小中連携教育として小学生が中学校を訪れる体験授業を展開。小学校を会場とする形式を取り入れた。
22年度は市立衣川・衣里両小学校で英語と算数の乗り入れ授業を展開。本年度は15日までに同中学校の及川友彦教諭が両校を訪ね、算数の授業を行った。
15日は市立衣里小学校(門屋深雪校長、児童61人)で6年生8人に授業。授業開始前から教室に入った及川教諭は、ユーモアあふれる語りで児童たちの心をつかみ、和やかな雰囲気で授業が行われた。
行ったのは中学校での学習にもつながる比例や割合に関する授業。箱の中に入った大量の画びょうの数を計算で推測する内容で、児童は2グループに分かれて相談し、重さを量ったり体積を求めたりする方法を導き出した。
佐々木海君(12)は「内容は少し難しかったけれど、友達と話し合うことで新しい考え方に気付くことができた。中学校で勉強するのが楽しみ」。6年担任の高橋瑠美教諭は「普段とは少し違う空気で、良い刺激を受けたと思う。進学後も自分の思いや考えをしっかり言葉にする積極性を大切にしてほしい」と話していた。
及川教諭は「非常に積極的な態度で参加してくれて良かった。子どもたちの不安を取り除くことはもちろん、私たち教える側にとっても将来の生徒を間近に感じられる大切な機会」と話す。次年度以降について「中学校でより専門性が高くなる実技教科の乗り入れ授業も検討できたら」と思いを語った。
写真=衣川中学校の教諭が訪れて行われた乗り入れ授業=衣里小学校
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