| アーカイブ |
pickup : 鬨の声上げ疫病退散 特殊神事 鎮守府八幡宮で加勢祭(水沢)
水沢佐倉河の鎮守府八幡宮(菅原正明宮司)で17日、特殊神事「加勢祭」が行われた。約100人が参列。無病息災や家内安全、地域の安寧を祈願し、気合のこもったかけ声で邪気を吹き飛ばした。
全国的にも類を見ない特別な神事として知られる同祭。災いを払う「蘇民祭」の一種と言われており、約1200年にわたり引き継がれている。
新型コロナウイルス禍で21(令和3)、22年は関係者のみで実施。23年は3年ぶりに一般の人も参列した。今年もマスク着用など感染症対策の協力を得ながら、コロナ前と同じような形式で執り行った。
本殿での祝詞奏上の後、拝殿のガラス戸を開放。参列者は外を向き、菅原正宜禰宜が「向かう矢先に悪魔来たらず」「花が散るとも氏子もらさず」などと唱えた神歌に続き、手をたたいたり足踏みをしたりしながら「ヤー!」と鬨の声を上げた。坂上田村麻呂が奉納したと伝えられる宝剣と鏑矢も掲げられ、邪気を払った。
総代長の高橋整さん(85)は「疫病退散などを願う神事。コロナ前に近い形で開催できるようになり喜ばしいが、新型コロナはなくなったわけではない。雪のない穏やかな日に神事を行うことができたが、農業など今後への影響も気になる。しっかり声を出し、力強く踏みしめて悪霊を追い払いたい」と1年の安寧を願っていた。
写真=手をたたき足を踏み鳴らし、大きな声で勢いよく邪気を払った加勢祭